赤ちゃんと【神経回路の発達】

赤ちゃんと【神経回路の発達】

neural circuit神経回路の発達

シナプスが結合したり、神経回路が発達したりするためには、「胎児」から「赤ちゃん」として生み出された後、さまざまな経験をしたり、外界から刺激を受けたりといったことが非常に大切になります。

といっても、刺激の種類により、発達に適している時期は異なっているため、注意が必要です。

外界を知る準備運動

赤ちゃんは、母親の胎内にいるときから、神経回路を発達させるのに必要な準備をしています。

胎児が母親のおなかの中で身を動かす、いわゆる「胎動」というのは、手足を動かして羊水の水圧に抵抗しているといった考え方があります。また、羊水を飲み込んでいるように見える行為も、そうした準備のための運動と考えられています。

神経回路は、活動する細胞によってつくられる

ニューロンの数というのは、新生児でも数だけはそろっていますが、発達はしていません。

ミリエン鞘と呼ばれるものや、グリア細胞ができるのも生まれた後です。前者はニューロン中の軸索を包み込んで情報伝達のスピードアップを図る役割があり、後者はニューロンを守ってくれます。

このように、ニューロンの成長やシナプスの結合というものは、遺伝的にあらかじめ定まったプログラムで促進されますが、外の世界から受けられる刺激が十分でないと、正常に促進されません。それが顕著にあらわれているのは視覚野です。

生まれてすぐに目を塞がれ、そのまま一定期間おかれてしまうと、目を開けても目の前にあるものや起こっている現象が認識できなくなるそうです。

つまり「目が見えない」という状態になります。なぜこのようなことになってしまうかといえば、光の刺激が遮断されてしまったからです。光刺激がないと、網膜から情報を受け取るはずの脳のニューロン軸索が成長できなくなります。

また、こんな実験結果もあります。ネコの右目と左目にそれぞれ縦縞と横縞を見せて育てたとしましょう。そうすると、それぞれ見せなかった方の方向の縞に反応するニューロンが刺激されるのだそうです。

そういった実験結果のような状態になってしまったら、回復することはできません。人間の場合は生後30か月の間にこのような状態にさらすのは危険です。

とはいえ、光の刺激が全くシャットアウトされるというのは、かなり特殊で極端な事例といえましょう。あり得ないといってもいいかもしれません。

といっても、ずっと室内で過ごした赤ちゃんと、山林や草原といったものを日常的に目にしながら成長した赤ちゃんとでは、視覚野神経回路の生成のされ方が違うのではないかという予測も、ある研究者によってなされています。

運動機能や触覚も刺激によって発達する

繰り返しになりますが、赤ちゃんが生まれた後に与えられる刺激や経験が神経回路に大いに影響を与えるというのは、運動機能、スキンシップの効用といった点からも間違いありません。

ネズミの実験ですが、生後間もないある個体を、動き回ることができないぐらい狭いケージで育てると、ごく普通に動き回った別な個体と比べ、運動機能をつかさどる小脳のニューロンの樹状突起部分の成長が悪くなり、シナプスの数も少なくなるそうです。

運動機能について述べますと、生後しばらくの間は、神経系にあらかじめ備わっている「反射」というシステムがもとになって発達をとげますが、その発達のためには、やはり刺激を受け、さらにそれに反応するという「経験」は欠かせません。ということは、刺激をとにかく増やせば、発達に変化が起こる。それは無条件でいいことである、ということでしょうか。

これはネコやサルの実験ですが、決まった足や指だけを毎日意識的に使わせて育てると、その足・指に対応するシナプス結合だけが増えます。そしてその結果、体性感覚野の領域も増えたという結果が出たそうです。つまり、偏った刺激は発達をアンバランスにさせると言っているようにも聞こえるかもしれません。

しかし、ごく普通の無意識の環境であっても、生まれてからその個体が受ける刺激は、それぞれ全く異なっているというのは普通のことです。つまり、刺激の内容・程度によって、神経回路の生成に違いが生じるのは確かであり、明らかでもあります。それがいわゆるその個体の「個性」というものにつながるのです。

脳の発達を促す望ましい生育環境は

刺激というのは、感覚系にしても運動能力にしても、足りないのは論外ですが、多ければいいというわけでもありません。どのような刺激や経験が脳の発達に対して望ましいのかは、動物実験にヒントを見出すことができます。

再びネズミの実験の話ですが、たくさんの仲間や遊ぶための道具、そして広くてバリエーションに富んだ遊びの空間を与えて飼育し、迷路を通り抜けるという課題を課すと、数匹だけを窮屈なおりで育てたときと比べ、段違いにいい成績を残したといいます。

脳の状態を調べてみたら、大脳皮質の厚さ、重さ、ニューロンの状態(樹状突起や軸索)、シナプスの結合の数など、すべてにおいて前者の環境で育てたネズミのほうが上回っていました。

また、いわゆる家畜として育てられた動物は、同種の野生の動物よりも脳が小さくなるのだそうです。つまり、過保護な状態で育てることも、脳の発達をおくらせてしまうということを意味しています。

人間でこのような具体的な実験をしたり、確認をしたりすることは不可能ですが、人間でも同じことが起こる可能性があることは想像に難くありませんし、もう既にそのような現象が起きている可能性もゼロではありません。

大勢の仲間と変化に富んだ広い空間で育てられたネズミは、特定のネズミのみと一緒に窮屈なケージで育てたネズミよりも大脳皮質に発達が見られたということは、前述のとおりです。

これを現代の人間の子育て環境に当てはめると、乏しい社会的なコミュニティや核家族などで、母と子だけで子育て期間を過ごすと、窮屈なケージのネズミと同じことが起こる可能性があるのではないでしょうか。



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