外遊びの自然とのふれ合いが脳を活性化させる
今どきの育児事情では、自然とふれ合って遊ぶという経験が少なくなりがちだといいます。感性を磨き、辛抱強さを培うためにも、自然の中での遊びは有効です。子供が思い切り体を動かす機会をどんどん設けましょう。
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外の自然は刺激でいっぱい
白い雲が泳ぐ水色の空、柔らかく肌に当たる風、風にそよそよと揺れる枝葉、香水とは違う、花のいい香り、土や草のにおい、と、家を飛び出して外気に触れた赤ちゃんは、五感をフルに稼働させて、自然を味わい尽くします。
赤ちゃんはいつもいるお部屋の中では、見たり聞いたりという刺激にかかわる部分が刺激されていますが、外に出て太陽光を浴びたり、風を感じたりすることは、見る・聞く以外の刺激もたくさん受けられます。
赤ちゃんのころに、嗅覚や触覚、味覚といった、動物的な感覚を磨くのは望ましいことなので、外出は大事です。
といっても、海だ高原だと遠くに行かなければならないという意味ではありません。デリケートな赤ちゃんには、刺激は必要ですが、「強い刺激」が必要なわけではないのです。
ゆったり、ゆっくりした、薄味の体験のほうが好ましいのです。家の近所に、緑を感じられる公園などがあれば、もうそれで「自然体験」としては十分です。
砂や泥んこの感覚を体験させよう
砂場で遊んだり、芝生の上をはいはい歩きしたり、裸足で歩いたりといった体験は、脳の均衡ある発達には大変いいことです。ただ、裸足で歩く場合、ガラス片など危ないものがないかは御注意を。前にも申し上げたように、幾ら赤ちゃんの成長期に過剰な手出し口出しは禁物といっても、危険を伴うことなら話は別です。
砂を手でぎゅっとにぎっても、指の間からさらさらーっと出ていってしまったりして、思い通りの形にはなりません。砂場の砂の上の部分はさらさらでも、深く掘り返すと、湿った土が出てきて、これは粘土のように形をとりやすく、大変魅力的な「おもちゃ」です。最近、泥団子ブームなどもありましたが、土遊び、泥遊びは大人にも子供にも魅力のある遊びです。
御自宅でガーデニングや家庭菜園をしているおうちなら別ですが、現代社会で土に触れる機会はどうしても少ないのではないでしょうか。公園で砂遊びや土遊びをすることは、貴重な経験といえます。
体はお風呂に入ればきれにできますし、汚れてもいい服を着せて、思い切って砂や土で遊ばせてあげるべきです。砂遊び用のシャベルやふるいなどがあるとより楽しく遊べます。
これは100円均一ショップや安売り店でも手に入りますし、家で使わなくなった洗剤用計量用のスプーンをシャベルがわりにしたり、ざるやボールのような古い台所用品なども使えます。また、砂遊び用の道具を入れるためのメッシュ状の袋などもありますので、こういったものも使えるでしょう。
先ほどの裸足歩きの例でも申し上げたように、もし砂を口元に持っていくようなことがあったら、そのときだけは「それはだめだよ」としっかりと、しかし穏やかに注意することも必要です。
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つま先歩きで土ふまずをつくろう
ベビーカーは何のためにあるか考えたことがあるでしょうか。よちよち歩きの赤ちゃんを歩かせなくて済むし、物は乗せられるし、親としてはこんないいものはありません。
しかし、赤ちゃんにとっては、道の状態の悪さがダイレクトに伝わってきたり、夏場などは地面の熱が大人よりも早く伝わってきたりと、実はさほど乗り心地のいいものではないことも、ぜひ頭の片隅に置いておいてください。
でなくとも、歩けるようになった赤ちゃんから歩く機会を奪うのは、体の発達の機会を奪う行為にもつながるので、事情が許すのならば、ぜひ積極的に歩かせるべきです。
折節に赤ちゃんの足型をとったりする方ならおわかりでしょうが、赤ちゃんの足の裏には土踏まずがありません。土踏まずは立ち上って歩くことでだんだんと作られてくるのです。
最近の調査では、小学生で土踏まずらしいものがない、いわゆる扁平足の子供が多くなっているということもわかりました。扁平足になると、立っていても体がふらついたりすることが多くなります。
少しずつでいいので、たち歩きがしっかりしてきたら、できるだけ歩かせてあげましょう。
足の親指の付け根の盛り上がった部分は、脳に伝わる神経が集中していますから、そこを刺激するという意味でも、歩かせることは有意義です。たまにはつま先立ちで歩かせたり、つけ根の部分を刺激するようなことも大事です。
靴選びも大事です。きつすぎるのは論外ですが、ぶかぶかでも歩きにくくて疲れてしまいます。ぴったりのサイズを選びましょう。
より大きな自然とのつきあい方
夏や冬の長期休暇のは、子供と旅行や行楽でどこかに出かけたいと考えている方も多いと思います。
ふだんは行きにくい海や山など、まさに自然を感じられる環境に身を置かせ、体験させる絶好の機会ですから、せっせと五感磨きをさせたいところです。
昆虫図鑑や植物時間を片手に山歩きや野歩きをするのも、知的好奇心を刺激して楽しそうですね。
海や山での田舎体験は、都会とは趣を異にする魅力があるものの、「慣れていない」ということからくる、「危険」「何だか汚い」「グロテスク」などといった親の感覚で子供の行動を制限してはいけません。
やりたいということは、危険のない範囲でさせてあげるべきです。
ふだんから空調の利いた部屋で暮らし、移動も自動車でという生活に慣れた現代の子供は(これは実は田舎でもそう事情は変わりません)、気持ち悪いと感じるようなものに触れたり、汗だくになって辛い思いをしたりということに対し、辛抱が利かなくなりがちだといいます。
人間が人間として生きていく適応力のようなものは、ぬくぬくと気持ちのよい環境だけではなく、「嫌だ」「不快だ」と思う体験からも培われるという面があります。自然の中にはそういった状況が、それこそ自然に備わっています。
といっても、大人でも耐えられないほどの寒さや暑さといった刺激にさらすのは考えものです。海辺でずっと体を焼きっぱなしというような刺激もいけません。
少なくとも3歳以下のお子さんに対しては、むしろ避けてほしいことばかりです。子供とのお出かけは、あくまで子供のペースに大人が合わせるようにスケジュールを組むことが大切です。
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