子どもの能力を伸ばすのに適切な状況はいつ?臨界期(感受性期)の考え方

臨界期(感受性期)

古来からの諺「三つ子の魂百まで」を引くまでもなく、こどもの能力は3歳までに決まるとの説があります。その根拠となったのは臨界期という考え方なのですが、最近の研究は、この3歳神話には否定的なスタンスです。

脳細胞の年齢による変化

人間の前頭連合野の脳細胞の数は1歳を境に減少し始めますが、殊に10年間の減少ぶりには激しいものがあり、年齢が15歳に達するあたりで成人と同程度になって、落ち着きを見せます。

それとは正反対に、グリア細胞の数は年齢とともに増加して、傷ついてしまったニューロンを修復するのに役立っています。

また、近年の研究によると、ニューロンというものも、成長期を過ぎても、場所によってはふえる可能性があることがわかってきています。

使わないニューロンは死滅する

少し怖い話をしましょう。人間は生後30カ月の間に光を刺激を全く受けない状態で育てられると、視力というものが獲得できず、一生「見る」という行為ができなくなるという話があります。

これはかなり極端な例ではありますが、人間は、ある的機能を得るのに、それに対応する適切な時期があるという考え方であり、この時期のことを臨界期といわれるようになりました。

これは若干曲解されたようで、その臨界期に当たる期間に刺激が与えられなければ能力が伸びない、あるいは伸び悩む、つまり鉄は熱いうちに打てということで、こどもにはできるだけ早期に教育を施すべきだということが声高にいわれるようにさえなりました。

臨界期という考え方の科学的な根拠となったのは、その時期に使われなかった刺激に関連するニューロンは死滅してしまうという現象でした。

人間が外界に生み出された後、環境からの刺激や経験を与えられることなくすると、シナプス結合ができなかったニューロンは、死滅・消失してしまうという現象が見られたのです。これは動物の視覚野で証明され、その後、さらに人間の前頭連合野においても事実として明らかとなりました。

単位容積当たりのニューロン密度は、生後6カ月から1年程度で減り始め、10歳ぐらいになる頃に、やっと減少のカーブが緩慢になります。

前頭連合野のシナプスの数のピークは5歳ないし6歳です。その後から減少し始めて、15歳くらいになるころには、成人とほぼ同程度に落ち着きます。視覚野においてはもっと早期にそういった現象が見られます。

生後8カ月ころにピークに迎えた後に減り始め、10歳程度で成人と同じくらいになります。これらの現象は、「シナプスの過形成と刈り込み」と呼ばれます。

「臨界期」は環境に適した能力を選ぶ「感受性期」

実際のところ、ヒトのニューロンの数は胎内、妊娠週数にすると5週から20週程度のあたりで最も多く作られています。そして、せっかくたくさんつくられたニューロンも、外界に生み出される前には大量に死滅してしまって、新たにつくられることはないのです。

ニューロンの大量死滅と相前後し、シナプスの形成は活発になります。そのプロセス上で、生き残ることができたニューロンが神経回路を形作っていきます。そのようにして作られ、増加したシナプスではありますが、結局は減少する運命になります。

このようないたちごっこはなぜ起こるのでしょうか。まるで大量に壊されるために、大量にニューロンやシナプスが作られているかのような現象です。

自然というものは、微妙な差異があるものを大量につくりおきし、環境に適応できるものを選択するようにできていると言われています。生物が生きていく環境は常に変化し続けるので、どのように変化していくかを完璧に予想するのは不可能です。

そのため、敢えて余分が用意され、環境に適応できるニューロン及びシナプスだけが生き残り、その結果、無駄のない神経回路の発達が果たせるというわけです。

ここで整理して考えましょう。前述の事柄から、「臨界期」というものがあったとして、その時期でなければ機能の発達は望めないという考え方が間違いだということがわかります。

より正確にいうと、臨界期とは、環境に適した機能がこども自身によって選択され、伸ばされている時期にすぎないということです。あたかも「限界に臨む」かのような字感からの誤解を払しょくするためか、「敏感期」「感受性期」という言葉が最近は使われるようになりました

成長期はシナプスの選択期

例えば馬や牛の赤ちゃんは、生まれてすぐ自分の足で立ち上がろうとします。それに比して人間の子どもは、立ち上って自力で歩くようになるまでに、四つの季節すべてを経験します。

その1年の間に、子どもは自分はこの生育環境でどのようにうまく立ち上がり、歩いていくべきなのかを考え、計算し、シナプスのスクラップ・アンド・ビルドを繰り返します。

また、人間には言語というものがありますが、大人との会話が成立する程度の言語を発するようになるまでには、3年前後かかります。その理由は、言語を習得し、操るには、それだけ複雑な神経回路というものを要するからです。つまり、シナプスの選択にかかる時間もその分多く要するということです。

人間の生育過程において、適度な刺激が必要なことは言うまでもありませんが、手に負えないような過度な刺激が与えられると、今度は余分なシナプスが残留してしまい、それが情報伝達の効率を悪くするという逆効果を生んでしまいます。

近年注目されている発達障害の一つであるADHA(注意欠陥多動性障害)はその一例ではないかと唱える専門家もいます。サルの実験ですが、拒絶の態度を無視して刺激を与えて続けたら、聴覚野や視覚野の配列が乱れてしまったという結果も出ています。ある能力が失われることで、初めて居場所を得て、伸びることができる能力もあるのだと考えるべきでしょう。



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