外の世界を知るための重要なセンサー【五感の仕組みと発達】

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五感は、刺激を受けて完成する

感覚器官、すなわち表面にあらわれている皮膚、目鼻、耳などがキャッチした刺激の情報は、それぞれの末梢神経、脊髄というふうにたどって中枢神経に届けられます。

そして大脳皮質の各領域、体性感覚野、視覚野、味覚野、聴覚野などに伝わるのです。人はそのプロセスを経ることによって、目で見る、音を聞く、食べ物や飲み物の味がわかるなどのことができるようになります。

言いかえれば、そういった人間の基本のような「感覚」が十分に機能するには、脳の神経回路の発達が肝要だということです。目や耳といった表にあらわれたものの働きだけでは不十分というわけです。

では、脳の神経回路というのは、どういうものでしょうか。

神経回路は、母親のおなかの中にいるときから大体形成されます。基本となるメカニズムは、遺伝情報をもとにしたプログラミングに従っていますが、機能するための仕上げの作業は、ヒトとして外界に生み出されてからになります。

赤ちゃんがお母さんにしてもらうこと、つまり腕の中に抱かれる、母乳を飲むために乳首に唇を当てて強く吸う、お母さんの顔を見たり、声を聞いたりを繰り返しているうちに、だんだんと自分にとって特別な人であると認識していくということで発達を遂げます。

これらはいわば、感覚器官に対する刺激でもあります。この刺激がない状態では、神経回路がつながることはできないという言い方もできます。

 

親はいちばん身近な外界の刺激

動物は、寒い、暑い、痛いなどの刺激情報を五感を駆使して感じとることで、生きていけます。

といっても、必要な情報の種類は動物によって異なります。それに従い、情報を処理する方法も違ってくるのです。一例を挙げれば、カエル。カエルは網膜で影だけを感じることができます。

それでなぜ事足りるかといえば、自分たちにとっての天敵、あるいはエサとなり得る生物が近づいてきたかどうかかわかればよく、形状、顔かたち、色といった情報は不要だからです。だからカエルは視覚からの情報処理を脳にゆだねることはなく、網膜でストップします。

それに比べて人間は、五感から大変多くの情報をキャッチします。人間として大きさが未発達なまま生まれてきたとしても、自分に近づいてくる人たちの顔の見分けができるのです。

また、生まれたばかりの赤ちゃんは、自分の母親の声をほかの人たちの声と聞き分けるともいいます。生まれてから8週間ないし12週間で、人の表情を見て、それをまねしようと試みるようになりますし、6カ月ほどの赤ちゃんならば、笑いかけられると、ほほえみ返しをしてくれるようになります。これは、他人の表情から感情を読み取っているという言い方もできるでしょう。

「認知」あるいは「知覚」という言葉があります。これは、体の外から受けるさまざまの刺激の種類、その違いを頭で理解することを言います。

人間にはそういった能力があるわけですが、中でも人を人たらしめる能力は、コミュニケーション能力というものです。前述のように、生まれて間もない赤ちゃんでも他者の表情からその抱いている感情を読み取る能力があるのは、このコミュニケーション能力を働かせるためだと断言してもいいでしょう。

生まれたばかりの赤ちゃんを養育する義務を負っている「親」というのは、換言すれば、赤ちゃんにとって最も身近な「他者」なのです。子育てにおいては、赤ちゃんの人間らしい感覚が成長するように心がけなければなりません。

というと、いささか小難しいことを言っているように思えるかもしれませんが、例えば授乳などで赤ちゃんと接するときにまっすぐに目を見る、スキンシップを怠らないといった、ある意味育児の基本ともいえることをきちんとすればいいだけです。

まだ意味のある言葉を話すことのできない赤ちゃんは、泣いたり、むずかったりという方法で、どうしてほしいかを訴えたりしますが、それを察して接し、世話をすることも大事です。この育児の基本こそが、赤ちゃんが一個の人間になるための認知力を向上させ、ひいては生きていくのに必要な力になるのです。

 

五感とその発達

視覚

目で見るというのは、五感の中でも最も高度な情報処理が必要な行為です。その分、十分な発達まで時間がかかる感覚でもあります。器官としての網膜は、まだ妊婦の胎内にいる胎児のころ、大体妊娠9週目~12週目ぐらいにはつくられるようになりますが、生まれた後、目の周りの部分は形成されていますが、中心の部分がまだ完成されていません。だから、何か物を見たときに、対象物に焦点を合わせることができないのです。

さらに、物体が立体であることが認識できるようになるのは生まれてから半年ほど経ったころであり、網膜の部分が完全に機能できるように「完成」し、物の色や形といったもののきちんした判別は、1年が過ぎたころにやっとできるようになるのです。

それでもまだ「完成」ではなく、物体の動きを伝える神経回路の細胞が大人とほぼ同じぐらいの大きさになるのには、その後さらに1年かかり、年齢でいえば2歳を過ぎた頃です。そして、その完成プロセスまでに、「物を見る」という経験を豊富にしておくことも肝要です。なぜならば、視覚の情報回路をしっかりと形成することが必要だからです。

この部分を怠ると、情報不足のせいで、「今見ているものが何々である」といった認知をする能力が失われてしまうことになるのです。

触覚

人体の表面を覆う皮膚の面積はかなり広大なものです。皮膚は体の表側にあらわれた脳であるという表現をされることもあるほどで、そこで感じ取る触覚は、大脳皮質の体性感覚野という部分に情報として入力されますが、その一方、大脳視床下部という部分にも伝わります。

これは、自律神経や免疫機能を支配する部分です。つまり、皮膚の触覚からの情報は、心身ともに大きな影響が与えられるということです。

人間の触覚のプロセスは、まだはっきりとは解明されていません。ただ、母胎内の赤ちゃんは、妊娠2、3カ月ぐらいの頃から、指をしゃぶる、全身(といっても未完成の状態ですが)を動かすといった様子が見られますが、これは、基礎的な運動能力のみならず、触覚の発達を促進するためだという考え方があります。

聴覚

女性が月経の遅れなどで妊娠を「自覚」したり、その可能性を考えたりするようになるのは、早い人でも2カ月(5、6週)程度ですが、その頃、胎児には耳胞、つまり耳の穴のもとになるものができています。

そこから内耳が形成されるのですが、このことから、聴覚というものが最も早く発達するということがわかるでしょう。そして妊娠20週目ぐらいには、脳の聴覚野の部分と神経回路がつながります。

さらに4週間ほど経つと聴覚器官、つまりは「耳」が完成します。そして、赤ちゃんは母親の体の中で心音を聞いたり、体外からの音、例えば母親の声を聞いたりできるようになります。

では、出産後はどんな感じでしょうか。生まれたばかりの赤ちゃんでも、音の高い低いや、抑揚、リズムなどは聞き分けます。生後半年もたちますと、大人とさほど変わらない聴力になっています。

とはいえ、幼いうちは頭自体が小さいため、その音がどちらの方向から発せられたものかを判別するのは難しいとも言われています。

味覚

舌には味蕾(みらい)と呼ばれるごく細かい器官があります。これは、飲食等をしたときに、そのものの味を感じる部分ですが、大体妊娠13週程度でつくられ始めるといいます。

外界に生み出される前に完全に完成・発達する器官ですので、「甘さ」「苦さ」「酸っぱさ」「塩辛さ」という、味蕾がチャッチする4つの味は、生まれたばかりの赤ちゃんでも識別できるのです。

成長するにつれ、味だけではなく、かんだときの感覚、温かいものか、冷たいものかといった対象物の温度、においなどの情報も「味」としてとらえるようになります。こうした複雑な味を感知するための味覚の神経回路は、さまざまな味を経験として味わうことで発達していくという考え方が一般的です。

嗅覚

複雑な処理をさほどされず、ダイレクトに伝わりやすいのはにおいの情報です。だから嗅覚というのは、もっとも原始的な感覚といえましょうか。においを感じるセンサーがつかんだ情報は、視床下部に送られます。これは自律神経、行動、記憶などを支配する部分です。

アロマテラピーで気分が落ち着いたり、盛り上がったり、あるいはいやな匂いをかいで気分が悪くなったりと、嗅覚による情報は心身に大きな影響を与えます。

母胎内ではにおいというものが伝わることはありませんが、それでも胎内で既に発達が始まっているのはたしかです。というのも、生まれたばかりの赤ちゃんでも、複数のにおいの区別をすることができますし、母乳や「お母さんのにおい」も、かなり早い段階で認識するようになるからです。



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