今回は、子どもの夜更かしが健全な発育にどんな影響があるのかをまとめました。
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子どもと夜更かしの原因
近頃、私達の生活は多様化しそれに対応するために深夜営業・24時間営業の大型店や量販店がふえました。
日が長い夏の間などは夕食後にショッピングを楽しむ家族連れもおおく目にするようになり、中にはちいさい赤ちゃんや幼児のすがたを見かける事もすくなくありません。
一見和やかで楽しそうに見えるこの家族だんらんの行動ですが、じつは子供達の心と身体の健全な発育に悪い影響を及ぼす可能性があるのです。その一つの例をこれからご紹介したいと思います。
夜更かしが及ぼす健全な発育への影響
緯度の高い場所では冬季日照時間が短くなります。例えば12月の東京の日照時間の平均が166時間であるのに対し、ドイツのデュッセルドルフではその平均がわずかに40時間と東京の1/4しかありません。
このような自然環境は私達の健康に様々な影響を与えている、と言う事が1980年代アメリカの精神科医らの研究によりわかりました。
睡眠ホルモン:メラトニンと発育の関係
日照時間の減少によって影響を受ける症状に睡眠障害があります。
多くの人は朝、明るくなると目を覚まし、夜、暗くなると眠くなります。これは私達の身体の中に「体内時計」がセットされているからです。
体内時計の働きをコントロールする「睡眠ホルモン」として良く知られたものに「メラトニン」という物質があります。メラトニンは主に光によって分泌される量がコントロールされています。
具体的に説明すると、朝起きて日光を浴びると目から入った光の情報が脳のある部分を刺激して体内時計をリセットするのです。
体内時計がリセットされるとメラトニンの分泌は減少しますが、一旦減少しはじめてから14~16時間後に再び分泌されるようになります。
メラトニンが分泌され始めると身体が休息に適した状態となって自然に眠くなるのです。朝7時に目覚めるとすると、大体夜の8~9時にはメラトニンの分泌が再び始まる、と言うわけです。
このように「日照不足が原因で睡眠生害が起る」というのはメラトニンの分泌量が光によって影響を受けるからなのです。
この性質を利用して日照不足による睡眠障害の治療には「高照度光照射療法」という人工的に大量の光を浴びる、という治療が行われる事もあります。
子どものメラトニンの分泌について
このメラトニンというホルモンは1才から5才の間は分泌量が急激に増加し、10才以降にピークを迎えます。そしてピークを迎えた後は段々と分泌量が減り続け、高齢者になるとほんのわずかしか分泌されなくなります。
年をとると睡眠時間が減ったり、朝早起きになるのはこれが原因です。
ここまではメラトニンがどのように睡眠をコントロールしているか?について説明してきました。次回はこのホルモンが睡眠以外に影響を及ぼしている身体のシステムについて、またそれが子供たちに与える影響について次回、引き続き説明します。
関連記事:夜更かしが子供の健全な発育に及ぼす影響 その2-メラトニンのもう一つの働き
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