増える育児不安の背景には何があるのか
現代社会において、育児不安を抱える人は昔に比べ増えています。
一昔前の子育てには、もう少し余裕があったのではないでしょうか。
昭和30年代のころは母親以外にもおばあちゃんが一緒に暮らしていることが多かったうえ、近所のお母さんたちが力を合わせてみんなで子育てをしている、という感じでした。
そしてその分家族同士の絆も強く、どこの家の子も分け隔てなくきょうだいのように一緒に遊んでいました。
そのため昔は母親が子どもを支え包み込んでいた時代であり、お父さんと仲は悪くてもお母さんとは仲が良かったのです。
しかしそれが昭和40年代以降になると、核家族化が進み母親は孤立するようになりました。
夫は仕事が忙しく地域とのコミュニティからも絶たれる一方で、しつけや勉強に躍起になって目を吊り上げながら子育てをしているお母さんが増えてきました。
そのため今の30代くらいの女性の中には母親とあまり仲が良くないという人が意外と多くいます。
それは子どもがこうした孤独とプレッシャーの中で子育てをしていた母親と、いわばライバルのような関係になり、まともにぶつかりあっていたからです。
それとは対照的に、息子は父親不在の家庭環境から母親に溺愛され、マザコン男性になる人も増えてきました。
これはあくまで一般論であり全ての家庭に当てはまることではありませんが、こうした傾向があることは確かでしょう。
父親とたとえうまくいかなくても母親との関係がうまくできている女性は、心の土台となる自己肯定感が育っていますからそれほど大きな問題にはなりません。
しかし、母親との仲が悪い女性は甘えを受け止めてもらうことができないため、自己肯定感が低くなりがちです。
それが現代社会における育児不安の増加につながっているのではないでしょうか。
しかし様々な事情からそうならざるを得なかったわけであり、自己肯定感が低い自分を責める必要は全くありません。
むしろそんな大変な環境でもここまで頑張ってきた自分を褒めてあげてください。
そしてたとえ母親である自分が自己肯定感の低い人間であったとしても、適切な関わりを学んで子育てをしていけば、子どもは健全に育つのだということを忘れないでほしいと思います。
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