「叱る」ことの本当の意味
「叱る」というのは、実を言うと本当に難しいことです。
私たちは普段「叱る」と言いながらも、子どもを非難しているだけのことがよくあります。
例えば騒がしい時には「うるさい!」と怒鳴り散らし、一人で遊んでいれば「もっとみんなとなかよく遊びなさい」と注意したり。
失敗をすれば「ほらごらん!」とダメ出しをしたり、学校から帰れば「宿題は?」などなど挙げていけばキリがありません。
こうした言葉がけは「叱る」ということではなく、単に私たち大人の不満を子どもに吐き出しているだけにすぎません。
こんなに子どもは家でも学校でも非難され続けているのです。
そのうえ「もっと厳しく育てなければ」と叱られ続けていると、自分に自信がなくなりますます自己肯定感を持つことができなくなってしまうでしょう。
子どもというのは親が大好きです。
そのため親が厳しくしかれば、親に好かれたい一心で無理をしてでも従おうとします。
これでは子どもを叱ると言いながらも、単なる非難や攻撃、脅しをしているようなものです。
「叱る」とは「相手を思いやり、正しい行動に向かわせる」ことです。
無理をして従わせることではありません。
そのためには、特別厳しくする必要はなく、きっぱりとした言い方や褒める関わり方を子どもと持つだけで十分効果はあります。
中には「厳しく育てられて良かった」と思っている人もいるかもしれません。
それは厳しさ以前に、親がありのままの自分を受け入れ、十分に甘えさせてくれた人なのだと思います。
実際には、「厳しく育てられて良かった」と感じる人の何十倍もの人が、叱られすぎてやる気や自信を無くしてしまったり、自己肯定感を持てず自分を否定して辛い思いを抱えて生きています。
表には出てきませんが、こうした子どものほうがはるかに多くいるのです。
このように、厳しすぎるしつけは単なる親の自己満足であり、あまり子どものためにはなりません。
厳しく叱らなくても、褒める関わりを持つだけで十分子どもは成長し、色々なことを身につけていくのです。
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