叱られ過ぎて育った子どもはどうなる?
大人の中には「親がもっと厳しく叱らないから子どもがダメになるのだ」という考えを持っている人もいると思います。
特に「最近の親は叱らない。昔のほうが厳しく叱っていた」と言われることもしばしばです。
しかしそれは決して正しくはありません。
確かに子どものことを考え真剣に叱ることはとても大切です。
例えば人や自分の命にかかわるような危険な行為や、人に迷惑をかけるような行為、ルールを無視した行為を子どもがした時には、親は自分の命を懸けてでも厳しく叱る必要があり、それは親の責任であると言えます。
ダメなことはダメだとはっきり伝え、親がぶれることなくしっかり規範を示してやることが大切です。
しかし厳しくしつけようとするあまり、子どもの気持ちを全く考えないで頭ごなしに非難したり、一方的に否定することが多くなることも事実です。
ところ構わず大声で叱ったり、時には叩いたりして子どもを従わせることもあると思います。
こうして厳しく叱られ続けてしまうと、子どもは知らず知らずのうちに「手のかからないいい子」になってしまうことがあります。
大人からしてみれば、「手のかからないいい子」になるなんてよい事じゃないかと思う人もいるかもしれません。
しかし厳しく叱られてしつけられた子どもは、本当に「手のかからないいい子」になっているわけではなく、「どうせ反発したって無駄なのだから」というあきらめが「手のかからないいい子」にさせてしまっているだけなのです。
いわば「いい子」の仮面をかぶっているだけなのです。
子どもというのは本来のびのびと育つものです。
そんな仮面をかぶり続け押さえつけられたままで、健全に成長できると思いますか?
おそらくそれは難しく、どこかで歪みが生じるはずです。
このように厳しくしつけられた「手のかからないいい子」のまま大きくなると、のちのちいつか問題行動や心配な症状が出てくる可能性が十分考えられるのです。
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